カナダの医療制度を日本と比較!医療費は無料でも待ち時間が問題点【体験談】

カナダ、医療制度、医療費

こんにちは!

カナダ東部の田舎町に住むMACOです。

『カナダは医療費が無料』という話をすると、よく『いいなぁ』『うらやましい!』という返事が返ってきます。

カナダの医療事情の実態を知っても、果たしてうらやましいと思えるでしょうか。

カナダはとにかく病院へのアクセスが悪いです。行きにくいのです。少なくとも日本のように『ちょっと病院行こうかな』という感覚では行けません。

特にファミリードクターがいない場合は、『あぁ、あの壮絶な待ち時間に耐えるのか。』と考えただけで憂鬱になるほどの過酷さです。

今日は、カナダと日本の医療制度を日本と比較しながら、良いところや問題点についてご紹介します。

なお、病院へのアクセスの良し悪しや待ち時間は、州によって異なります。あくまでも【私個人の体験談】として読んで頂けると幸いです。

 

 

カナダの医療制度を日本と比較!カナダの医療の特徴は?

メディケア(Medicare)とは?

カナダ、医療制度、医療費

カナダでは、日本と同じく国民皆保険制度(medicare/メディケア)が採用されています。

この制度のすごいところは、患者の医療費負担が一切ないという点。

日本では病院の窓口で3割の医療費を支払いますが、カナダでは病院でお金を支払う必要はありません。終わったらそのまま帰ります。

そして、日本の『国民健康保険』や『健康保険料』にあたる月々の支払いもありません。

すべてが税金で賄われているんです。

カナダの医療費が無料なのは有名な話ですが、『月々の保険料の支払いもない』ことはあまり知られていないのではないでしょうか^^

さらに、カナダの市民権や永住権を取得すると、移民あってもメディケアを取得することができます(移民の場合、取得できる時期は州による)。

ただし、メディケアは、歯科、眼科、薬代は対象外となっています。特にカナダの歯科は高額なため、虫歯にならないように普段から気を使っている人がとても多いです。

また、保険なしで病院にかかった場合、高額な医療費が請求されます。

<例えば…>

  • クリニックでの診察:約100〜200ドル
  • ERでの治療:約300〜800ドル
  • 集中治療室に1日入院:約3000〜6000ドル

医療費は州によって違うので一概には言えませんが、かなり高額ですよね。

お隣の国アメリカほどびっくり仰天な金額ではありませんし、まあ頑張れば返済できる金額ではありますが…(´-`).。oO

旅行でカナダに来る場合は、必ず大きめの海外旅行保険に加入してくるようにしましょう。

 

ファミリードクター(Family Doctor)とは?

カナダと日本の医療制度の違いの一つに、ファミリードクター制度があります。ファミリードクター(Family Doctor)とは、家庭の主治医(家庭医)のことです。

日本とカナダ、お医者さんにかかる時の流れの違いを見てみましょう。

日本 フリーアクセス制度

風邪を引いたら内科、肌が荒れたら皮膚科…という風に自分で病院を選べる。直接専門医へ行ける。

カナダ ファミリードクター制度

  1. ファミリードクターの予約を取って受診。
  2. 医師が必要と判断したら、専門医へ紹介される。

自分で専門医を選んで好きな病院に行ける日本とは違い、カナダではファミリードクターの紹介がないと専門医に診てもらうことができません。

ただ、このファミリードクターも予約が取りにくく、取れても数週間後…とかいう話をよく耳にします。さらに専門医を紹介されても、予約が数ヶ月後、1年後だったり。医療費抑制政策のため、設備の数が少ないのが原因です。

思い立ってすぐに医療が受けられる環境ではないのが伝わるでしょうか。

さらに、ファミリードクターも数が少なく、受け入れ数を制限している医師が多いのも実情。ファミリードクターに申し込んでも数年待ちという州もあります。

では、ファミリードクターがいない場合は、どうやって病院にかかればいいのでしょうか。

 

ウォークインクリニック(Walk in Clinic)とは?

ファミリードクターがいない場合、ウォークインクリニック(Walk in Clinic)を受診します。

ウォークインクリニックは、『受付は〇時から〇時まで』と決まってるところが多いです。受付人数制限があったりもします。そして、だいたい混雑していますね。

ただし、ウォークインクリニックは、血液検査機器、レントゲン機器や超音波機器等の設備がないところが多いです。

なので、基本は『医師と話をするだけ』。簡易診療所のようなイメージです。

それ以上は、ERに行けと言われます。体調が悪い時に数時間待って、少し話しただけであとはERに行けと言われると、ウォークインって一体なんのために存在しているんだろうと脱力してしまいます。

ERはさらに混雑しているので、ウォークインクリニックでできることを増やしたらいいのになぁと思うんですけど…そういう問題じゃないのかなぁ(´-`).。oO

 

わたし
ウォークインクリニックの存在意義ってなに?!キーーー!!
ウォークインクリニックは、決まった処方箋薬を出してもらいたいの時とかには便利だよ。

 

緊急外来(ER)とは?

ファミリードクターがいない(いても予約が取れない)場合、ウォークインクリニックが時間外の場合、緊急を要する場合等は、緊急外来(ER)に行きます。

ウォークインクリニックがあまり意味がないので、直接ERに行く人も多いです。

ただし!

ERは待ち時間が凄まじく長いです。もう尋常じゃない長さ。

後述しますが、私がERを訪れた時は、

  • 1回目:初期流産のため2日間で合計14時間
  • 2回目:腸が腫れて激痛のため2日間で合計17時間
  • 3回目:友人が高熱のため2日間で合計20時間

でした。

どうでしょうか、ERの待ち時間(所要時間)の長さが伝わるでしょうか。

ERでの待ち時間の長さは、症状の緊急性によって変わります。これは患者の『トリアージシステム』が徹底されていて、緊急性がないと判断された場合は、先に受診した患者であっても後回しにされてしまうからです。

例えば普通の風邪でERを受診したら、どんどん後回しにされるということですね。逆に、緊急性が高ければ、ちゃんと優先して治療をしてもらえます。

ただ、この待ち時間も州や病院によって異なります。

私が住む州では医師不足が深刻な問題となっていて、州外から来た人に言わせると『異常な状態』なのだそう。

大都市では、まだマシな状況だという話を聞きますよー(後述)。

 

みんな
ERの待ち時間は『ER waiting time 場所名(例. Toronto)』と検索すると調べることができるよ〜!

 

ナースプラクティショナー(Nurse Practitioner)とは?

最後に、ナースプラクティショナー(Nurse Practitioner)と呼ばれる上級看護師についてご紹介します。

カナダの看護師の種類は、こちら。

  • Nurse Practitioner(NP:上級看護師)
  • Registered Nurse(RN:正看護師)
  • Licensed Practical Nurse(LPN:准看護師)

ナースプラクティショナーは医師と看護師の中間のような職業。一定レベルの診断と治療を行う資格を持っています。

例えば、私がカナダで子宮頸癌検診を受けた時は、ナースプラクティショナーが処置をしてくれました。一度も医師は登場せず。

あと余談ですが、予防接種は病院に行かなくても、街の薬局で薬剤師さんが打ってくれます。

カナダの暮らしでは、病院への距離が遠いことが伝わったでしょうか? 日本の医療事情とは、かなり違いがありますよね。

 

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カナダの医療制度!医療費は無料でも待ち時間が問題点【体験談】

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実際のカナダの病院での体験談をご紹介します。

私がカナダの病院を利用したのは、合計4回(6日)。それにプラスして、夫のスクールドクターでの体験談、友人2人の体験談をピックアップしました。

<私の状況>

  • Medicareカード保有(医療費は無料)
  • ファミリードクターなし
  • 医師不足が深刻な州に在住

ちなみに、私が住む州は、カナダでも特に医師不足が深刻な州です。

トロントやバンクーバー等の大都市では、病院のアクセスが比較良い(マシ?)と聞きますので、これはとある田舎町での個人の体験談としてご理解下さい。

ファミリードクターがいる場合は、予約を取ることができます。ですので、待ち時間に関しては、以下の体験談は当てはまらないかもしれません。

また、どの体験談も待ち時間はかなり長いですが、医師や看護師の方々の対応は本当に素晴らしいものばかりでした。超激務にも関わらず、とても親切・丁寧に応対して頂き、感謝してもしきれません。

 

体験談①子宮頸癌検診でWalk-in Clinicへ

ファミリードクターがいないため、Walk-in Clinicで子宮頸癌検診を受けました。

事前に検診の予約を取っていたので、待ち時間はほぼゼロ。スムーズに診察室へ通され、検診自体の所要時間は約20分弱。

子宮頸癌検診の作業をしてくれたのは、医師ではなく、ナースプラクティショナーという上級看護師でした。また、問診と子宮頸癌検診のみで、エコーはありませんでした。

最初から最後まで医師には会わず。

ちなみに、カナダでは妊娠中、初めて超音波検査(ウルトラサウンド)をするのは、20週目あたり。回数も、全妊娠期間を通して1〜3回のみと少なめです。医療費、節約されてますよね。

 

関連記事はこちら。

>>カナダで子宮頸がん検診(パップテスト)!検査・結果の流れと覚えていくべき英単語

カナダ永住権の健康診断(メディカルチェック)の費用と流れを解説!体験談も

2018年10月25日

 

 

体験談②不正出血でWalk in Clinicへ

ある日、不正出血があり、見たことがないようなドス黒い血に驚いてWalk in Clinicを受診。

私が訪れたクリニックは受付人数が制限されていて、クリニックがオープンする1時間ほど前に足を運んで並び、オープン後、順番に名前を登録して、医師の問診を受けるというシステムでした。

前述したように、Walk in Clinicは検査器具やレントゲン機材、エコー機器の設備がないところがほとんどです。

なので、本当に『医師と話をするだけ』。

日本の産婦人科だと、不正出血したとなれば、内診やエコー検査、ガン検診等をしてくれると思うのですが…。

内診や触診、エコーもなく、専門医に回されることもなく『話を聞いた限りでは、よくあることだし問題ないですよ!』で終了でした。

できればちゃんと検査をして、データとして問題がないことを確かめたいのになぁ…。不完全燃焼でしたね。

 

体験談③盲腸の疑いでERへ

ある日、我慢できない腹痛に襲われERへ。血液検査をして医師と面談、血液検査の結果を聞くまでの待ち時間は約7時間でした。待合室のイスに座って待ちました。

様子を見るためその日は家に帰り、翌日、再検査のため再度ERへ。座っていられないほど腹痛が悪化したため、ベッドで点滴を受けさせてもらえました(←かなりラッキーです)。

この時点で盲腸の疑いがあり、血液検査、超音波検査、CTを受けました。幸いなことに、診断は『原因不明の大腸の腫れ』で済みましたが、この日の待ち時間は10時間。

また、処方箋薬は痛み止めだけで、抗生物質等は処方されませんでした。完全に自然の免疫力で治した感じです(´-`)

 

体験談④高熱と頭痛でER→Walk in Clinic→ER

友人の体験談です。

高熱と頭痛でERを受診。その日は血液検査やインフルエンザ検査等もなく、待合室のロビーで座ったまま、待ち時間は12時間ほどでした。

一旦帰宅したものの、症状が治らずにWalk in Clinicを受診。ここでは検査や診断ができないとのことで、医師とは文字通り『話すだけ』。待ち時間は2時間。

一度帰宅後、Walk in Clinicの医師からERへ連絡がいき、待ち時間なしで検査してもらえるとのことでERを再度受診。

ところが、ERは大混雑。2時間ほどで検査してもらえたものの、結果を聞くまでに待ち時間が6時間。合計8時間の待ち時間でした。

 

体験談⑤スクールドクターはほぼ留守電(笑)

現在、うちの夫は学生です。

そのため、大学構内のスクールドクターに診てもらうことができます。ところが、予約のために電話を掛けても、だいたいいつも留守電。

電話ではほぼ繋がらないので、直接オフィスに行って予約を入れるしかないと怒っていました。もうやむをえず突撃状態ですよね(笑)

まあ、それでもWalk in ClinicやERよりははるかに診てもらいやすいですし、予約ができるので待ち時間もあまり長くありません。

学生さんはスクールドクターを積極的に利用するのがベストだと思います^^

 

その他:オンタリオ州から来た友人の話

オンタリオ州から引っ越してきたカナダ人女性Mちゃんの話。

私の病院での体験談を話すたびに、いつも『オーマイガッ!!』と心を痛めてくれるMちゃん。そして、必ず『この州の医療をカナダ全体の医療だと思わないで!お願い!』と言われます(笑)

というのも、Mちゃんは、これまでオンタリオ州やアルバータ州の大きめの都市に住んだことがある転勤族。

少なくとも都市部では、そしてMちゃんが体験した限りでは、ちゃんと病院の予約も取れるし、ファミリードクターを選ぶことすらできると話していました。また、医療機器も新しいものが多く、医療システムも進んでいたとのことです。

『具合が悪くてずっと気になっているよりも、病院で何もないことを確認して心の平穏を保ちたい。これまではそれができていた。』とのMちゃん談。

そうか、大きな都市はそんなに医療環境がいいのかー(´-`).。oO

たしかに自分がドクターだったら、環境のいい都市部に住みたいし、お給料のいいところで働きたいよなー。本気でお金を稼ぎたければ、アメリカに行くという手もあるし。

ちなみに、私の州はファミリードクターをゲットするのに約4年待ちという過酷さです。

私個人の病院での体験談を書き連ねて、少し不安を煽る形になってしまったかもしれませんが、Mちゃんの言葉を借りて『病院事情は州によって違う』ということを頭に入れておいて下さいね!

 

 

まとめに

カナダの医療制度を日本と比較しながらご紹介しました。

月々の保険料も無料、医療費も無料。

それだけ聞くと、素晴らしい制度のように聞こえますが、病院へのアクセスの悪さや待ち時間の長さが問題点として挙げられます。

ERで10時間待つなんて…もうERではないですよね。長すぎる待ち時間のことを考えると、ちょっとやそっとの体調不良では病院に行こうとは思わなくなりました。

個人的な意見ですが、病院の治療自体も『根治を目指す』というよりは『今ある症状を取り除く』という感じの治療が多い気が…。

まあ無駄な検査をしすぎるのもよくないは分かりますが、クリニックで『医師と話して、はい終わり』な体験すると、そもそも病気の早期発見には重きをおいていないのかなーとか思ったり。もっとお腹を押したり聴診器をあてたりしてほしい!(笑)

カナダ移住や留学等の長期滞在でカナダを訪れる場合は、渡航前に必ず定期検診や現症の治療を済ませて来るようにして下さいね。

特に最初の1年目は体調を崩しやすいですし、そんな時に『健康だ』と分かっているだけで、大きな安心材料になります。

それでは^^

※病院へのアクセスの良し悪しや待ち時間は、州によって異なります。体験談はあくまでも【一個人の体験】としてご理解下さい。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

MACO

セカイエの管理人。カナダ東部にカナダ人夫と2人暮らし。 人見知りでひきこもりだけど、旅行好き。アウトドア派になりたいと思っている。海外生活・カナダ生活で役に立つ情報を発信したいなと思っています。