こんにちは!
2018年10月17日、カナダで大麻が解禁されました。日本ではタブー視されている嗜好用マリファナですが、なぜ合法化されたのでしょうか?
カナダの大麻合法化は、ウルグアイに次いで世界2カ国目。先進国では世界初となります。
日本ではあまり大きく報道されていないようですが、世界の大麻ビジネス市場は想像以上に巨大です。
実際に、私が住む田舎町でもお店には長蛇の列。結構な盛り上がりっぷりを見せています。
今日はカナダで大麻が合法化された理由、現在のカナダの大麻事情と影響についてご紹介します。
カナダの大麻合法化で10/17解禁に!
2018年10月17日、嗜好用の大麻(マリファナ)の所持・使用が解禁されたカナダ。
ここで知っておきたいのは、今回合法化されたのは『嗜好品として』の大麻だということ。カナダでは医療用の大麻は、2001年にすでに事実上の合法化がなされています。
嗜好用の大麻の合法化は、2015年、現トルドー首相が総選挙の際に、公約のひとつとして掲げられていたものでした。
トルドー首相の最近のツイートをチェックしてみましょう^^
今回の解禁日当日にこんなツイートが。
Profits out of the hands of criminals. Protection for our kids. Today #cannabis is legalized and regulated across Canada. pic.twitter.com/0ZxtohOHG0
— Justin Trudeau (@JustinTrudeau) October 17, 2018
今回、公式に嗜好用大麻が合法化されたカナダですが、道を歩けば大麻の匂いがするし(特に週末の夜)、普通に普通の人が常用しているし、というのが現状。
とにかく身近に大麻が存在しているのを感じることが多いというのが実際のところでした。
10月17日の解禁日には、大麻販売店に長蛇の列ができている様子がテレビで放送されました。
これまで人の生活に大麻が定着(?)しているのは感じていましたが、それが公になり、老若男女がこぞって大麻を買い求める姿には、やはりちょっとカルチャーショックを受けてしまいます(´-`).。oO
カナダの大麻合法化のルールは?
※施行前に各家庭に配られた政府からのお知らせ
さて、嗜好用の大麻についてのルールで、国によって定められたものはこちら。
<18歳以上なら…>
- 30グラムまでなら公共での大麻所持OK
- 自宅で4鉢まで栽培OK
- でも未成年者による生産、流通、販売は禁止
- 使用時は車の運転に制限あり
ただし、実際は各州それぞれに定められたルールに従い運営されています。
カナダの大都市バンクーバー(BC州)とトロント(ON州)、ケベック州のルールを簡単にチェックしてみましょう^^
バンクーバー (BC州) | トロント (ON州) | ケベック州 (QC州) | |
購入・使用可能年齢 | 19歳以上 | 19歳以上 | 18歳以上 |
購入場所 |
|
|
|
栽培 | 4鉢まで (公共の場は不可) | 4鉢まで | 禁止 |
使用不可の場所 |
| 私有地のみ (大家は制限できる) |
|
カナダのほとんどの州が使用可能年齢が19歳なのに対し、ケベック州は18歳。10月現在、ケベック州ではそれを21歳に引き上げる動きが出ています。あと、自宅での大麻栽培が禁止されているのもケベック特有ですね。
また、公共の場での利用が禁止されている州があったり、賃貸物件の建物すべてで大麻喫煙と栽培を禁止している州があったりと、まちまちです。
カナダ各州のルールについては、WikipediaのCannabis laws of Canada by province or territoryのページが一覧で分かりやすくまとまっていますので、ぜひチェックしてみてくださいね^^
カナダの大麻合法化の理由はなぜ?現在の事情とあわせて解説
カナダでは、大麻が蔓延しています。蔓延というよりも『普及』という方がしっくりくる感じでしょうか。
もちろんこれまでは違法でしたが、前述したとおり大麻はかなり身近にある存在でした。
2018年にはこんな統計が政府から出されています。
❶過去3ヶ月以内の大麻利用(州ごとの統計)
ケベック以外の州では約15%の人が過去3ヶ月以内に大麻を利用した事があると答えています。
東部ノバスコシア州では20%です。
参考:カナダ統計局
❷過去3ヶ月以内の大麻利用(年齢別の統計)
出典:カナダ統計局
15〜24歳が23%、25〜34歳が26%もの人が過去3ヶ月に大麻を利用した事があると答えています。
また、2014年には100万人が大麻を日常的に使用しているとの統計も。カナダの人口は3500万人程度なので、かなり大きな数字ですね。
ここが、トルドー首相が大麻を合法化した理由のひとつです。
The old approach to #cannabis didn’t work. It was too easy for our kids to get it and gangs & drug dealers were reaping the profits. That changes from now on. #promisekept pic.twitter.com/P2k9tB9zyZ
— Justin Trudeau (@JustinTrudeau) 2018年10月18日
対訳:従来のやり方では大麻を取り巻く現状は変えられない。子供達が簡単に大麻を手に入れる事ができる状況とギャングやドラッグディーラーが簡単に利益を得られる状況。たった今から変わるのだ。#公約は守られた
つまり『子供達が簡単に大麻を手に入れる環境がある』ため、合法化する事で規制し、ひいてはそれが子供達を守ることになるというわけです。
極論といえば極論ですよね(´-`).。oO
大麻はアルコールやタバコよりも低リスクであるという意見が多いのも一因です。
また、カナダ統計局のデータによると、2017年のカナダ国内の大麻市場規模はなんと57億カナダドル(約4900億円弱)。
この数字は医療用と嗜好用をあわせた数字ですが、そのほとんどがブラックマーケットで取引されています。
なので、『大麻を合法化する=闇取引の犯罪業者を取り締まり+税収もアップ』というわけですね。
今回の合法化によって、年間4億カナダドル(約340億円)の税収が見込まれています。
ちなみに、数年前にアメリカも大麻合法化で話題になりましたが、あれは『合法の州がある』というだけで、国全体で大麻が解禁されているわけではありません。
※2018年10月現在、首都ワシントン+9州のみ。
カナダの大麻合法化の影響は?
2012年に大麻を合法化したアメリカ・コロラド州のその後を参考にしてみましょう^^
【メリット】
- 税収増大→教育や福祉充実
- 観光客増大→観光収入増
【デメリット】
- 子供の誤飲
- 大麻の卸売価格の下落→農家に悪影響
- 現金ビジネス→不便、強盗被害
(販売所はビジネス口座を開設できないため)
税収が増えることによって、教育や福祉が充実するのは良い点ですね。
ちなみにコロラド州は嗜好用大麻に15%の課税がなされており、大麻関連の売り上げは、以下の通り上昇し続けています。
年 | 売上合計 |
2014年 | 約6800万ドル |
2015年 | 約1億3000万ドル |
2016年 | 約1億4000万ドル |
2017年 | 約2億5000万ドル |
2018年 (9月まで) | 約2億ドル |
※合計は税、ライセンス料、登録手数料。
コロラド1つの州だけでこれだけの税収増なので、カナダのように国家をあげての解禁となると巨額な税収が見込める事が分かりますよね。
余談ですが、コロラド州に住んでいる友人が、色んなものの物価がかなり上がったと話していたことを思い出しました。
ただし、まだまだ州ごとのルールもまだ不明確な部分も多いため、これからの動きに注目していきたいところです。
まとめに
私自身は10月17日の大麻解禁について、賛成でも反対でもありません。
ただ、大麻合法化に至った理由である『どうせなくならない、だったら合法化して取り締まろう』という考え方は賛同できる部分ではあります。
形だけの対策を打ち出すよりよっぽど建設的な気がしますね。
とはいえ、合法化反対派もいるわけで、例えばうちの義父は超反対派。トルドー首相の話題が出るたびにふくふくして、怒りが収まらない様子です(´-`).。oO
今回の動きを見ていて『日本じゃ考えられないなぁ』と呟いたら、夫に『日本は24時間コンビニでお酒が買えるじゃない、それもすごいけどな』と言い返されました。そうそう、カナダではお酒は決められた政府のお店でしか買えないんですよねー。公共の場でも飲めないし(お花見とかムリ)。
そう考えると、何がよくて何がダメかなんてよく分からなくなりますね。
まだ大麻は解禁されたばかり。
カナダがどのように変化していくのか、これからの大麻事情とその影響に注目していきたいと思います。
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