こんにちは!
カナダで妊娠中に妊娠糖尿病と診断されました。MACOです。
カナダで妊娠糖尿病と診断されると、その後は日本と同様に特別な指導や数値管理を受けることになります。
海外での妊娠・出産に加えて、怖いイメージのある糖尿病。検査を不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
今日は、
- カナダのグルコーステストの流れ
- 妊娠糖尿病になったら?食事メニューは?
- カナダで買える便利な食品
などについてご紹介します^^
妊娠糖尿病(gestational diabetes)とは?
妊娠糖尿病(gestational diabetes)とは、妊娠中に発症した軽い糖の代謝異常のこと。もともと糖尿病だった人、明らかな糖尿病は含まれません。
妊娠すると胎盤からインスリンの働きを妨げるホルモンが分泌され、血糖値が高くなってしまう…というメカニズムなのだそう(※インスリン=血糖値をコントロールしてくれる働きがある)。
ちなみに妊娠糖尿病になりやすいのはこんな人。
- 肥満の人
- 35歳以上の高齢妊娠の人
- 家族に糖尿病患者がいる人
- 過去に4000g以上の赤ちゃんを出産したことがある人
- 多嚢胞性卵巣症候群の人
- ブラック、ヒスパニック、インディアン、アジアン等の人種
欧米人に比べると、東アジア人は2型糖尿病(後天的な糖尿病)を発症しやすい体質なのだそうです。
妊娠糖尿病には、母子ともにこんなリスクがあります。
- お母さん:妊娠高血圧症候群、羊水量の異常、網膜症など
- 赤ちゃん:子宮内胎児死亡、巨大児、新生児低血糖など
母子共にいろいろなリスクがあるため、きちんと管理して治療をする必要があるというわけですね。
ちなみに私はカナダで糖尿病専門ダイエティシャンの指導を受けながら、助産師ひさこさんのYouTubeチャンネルを見て勉強しました。
ひさこさんのユーチューブ、妊娠糖尿病について7つの動画に分けて詳しく解説されています。本当に分かりやすいですし、ちゃんと学ぶことで不安が解消されるのでおすすめです。
【妊娠中】カナダの検査グルコーステストの流れ
数週はいつ?
カナダでは、妊娠中期の24〜28週頃にグルコーステストと呼ばれるブドウ糖負荷テストが実施されます。
対して日本では妊娠初期と中期に1回ずつ行われるのが一般的なようです。
テストの予約は?
テストは、自分で予約を入れる州、予約なしでオッケーな州、医師が予約を取ってくれる州などさまざまです。
私の場合は医師が予約を取ってくれました。まあ予約といっても、いきなり病院から電話がかかってきて『この日のこの時間に来て!』という問答無用の時間指定スタイル(笑)。
カナダ生活も長くなってくると、病院に行けるだけありがたや…という境地です。
テストの流れは?
私が受けたカナダのグルコーステストの流れをご紹介します。
テストのためのファスティング(食事制限)は必要なしでした。
- 指先から血糖値を測定する
- 15分以内に糖分50gの甘いグルコース飲料を飲む
- 1時間後に採血をして血糖値を測定する
- 問題がある場合は電話がかかってくる
ちなみにグルコース飲料を飲んだ後の待ち時間には、こんな制限がありました。
- 飲食・喫煙・チューインガム禁止
- 過度な運動禁止
- 病院内で待つこと
- トイレは行ってもいいよ
50gもの糖分が含まれたグルコース飲料、個人的には『息を止めて飲めばそこまでマズくないけど、後味が激甘でひどい』という感じ。オレンジ色の微炭酸でした。
【出産後】カナダの検査グルコーステストの流れ
産後6週間後にグルコーステストが行われ、妊娠糖尿病が治ったかどうかチェックします。
産後の検査も有無を言わさず期日指定で呼び出されました(笑)。
妊娠中のテストはファスティング必要なしだったのに対し、産後のテストは必ずファスティングが必要です。
テストの流れはこんな感じ。
- 採血をする
- 15分以内に糖分75gの甘いグルコース飲料を飲む
- 2時間後に再度採血をする
待ち時間が2時間と長めだったためか、病院から出てもいいと言われました。運動は禁止。
結果はカナダ名物『No Letter is Good News(頼りがないのは良い知らせ)』スタイルで、問題なしの場合は連絡もなしでした。
カナダで妊娠糖尿病になったら?
血糖値の数値チェックは1日3回
血糖値は毎日3回チェックしていました。
- 朝食前に1回+朝食後に1回+夕食後に1回
- 朝食前に1回+昼食前後に1回ずつ or 夕食前後に1回ずつ
朝食前にかならず血糖値を測るのは、『食べ物に影響されていない血糖値』を調べることで、ちゃんと内臓が機能しているかを見るためなのだそう。どの臓器かは忘れました(笑)。
やり方は食事の1時間後に専用の小さな針で指先から血をとり、機械に読み込ませて血糖値をチェック。
この数値以下になっていればオッケーです。
【血糖値の基準】
- 食前:5.3mmol(94.5mg)
- 食後:7.8mmol(140.4mg)
※『mmol』はイギリスの単位だそう
日本の場合は、食後2時間後にチェックすることが多いようです^^
食事のポイント
カナダの糖尿病専門のDietitian(栄養士)から教わった食事療法についてご紹介します。あくまでも『私の場合』なので参考程度にお読みください。
指導内容はこちら。
- 炭水化物は毎食1カップに抑える(←重要!)
- 野菜はいくらでもOK(ポテトとサツマイモ以外)
- フルーツは1日に手のひら4杯まで
思っていたよりも食事制限は厳しくなく、とにかく『1回の炭水化物を1カップに抑える』ことを強く指導されました。
でも主食を1カップって実際に食べてみると結構な量。炭水化物は赤ちゃんが大きくなるために必要なため、必ず守るように言われました。
日本の妊娠糖尿病の食事療法についても読み漁りましたが、カナダと比較すると
- 日本:カロリー制限
- カナダ:糖質制限
を重要視している印象を受けました。
ちなみに私が受けた指導では、血糖値の急上昇(spike up)を抑えるための『分食』もする必要なし。日本で言われている『サラダやスープから食べ始める』という食べ方も『食べる順序は全く関係ない』とバッサリだったのが印象的です。
食品の糖質量については日本のAmazonで本を取り寄せて勉強し、気をつけるようにしていました^^
ライザップのハンドブック、分かりやすくてオススメ。この本は一生使えると思うので買ってよかったです。
カナダで買える!役に立った食品
妊娠糖尿病と診断されてから、ほぼ毎日のように食べていた食品をご紹介します。どれも美味しくてストレスなく続けられたのでおすすめ。
- Dempster’sの12Grains 食パン
- 砂糖不使用のピーナツバター
- CheeseStringes
- プレーンヨーグルト
- メープルシロップ
- 冷凍ベリー
すべてコストコで買うのが一番安いです。
Dempster’sの12 Grains 食パン(Whole Grain)
カナダ政府が発行してる妊婦向けの冊子には、積極的に『Whole Grain(精製されていない全粒穀物)』を食べることが推奨されています。
色々食べ比べましたが『Dempster’s』のWhole Grain食パンの『12 Grains』が一番おいしいと思う。コストコで3本入り8ドルほど。
砂糖不使用のピーナツバター
砂糖不使用のピーナツバター、コクがあっておいしいです。
これもコストコが一番安いと思います。
Cheesestrings
Cheesestringsは、いわゆる『さけるチーズ』です。
チーズはタンパク質が多く炭水化物が少ないため、1日1本、小腹が空いた時に食べていました。ちょっとずつ裂いて食べられるので満足度高め。
LIBERTEのプレーンヨーグルト
プレーンヨーグルト、LIBERTEが一番おいしいと思う。これもコスコで。
本当はタンパク質豊富なギリシャヨーグルトの方がいいと思うんですが、私はあの特有の硬さがちょっと苦手なので。
メープルシロップ
メープルシロップは低GI値で、普通の砂糖に比べると血糖値の上昇がゆるやかです。
そのため料理や食事に使う砂糖は、ほぼメープルシロップに切り替えました。
エリスリトールやステビア等の甘味料を使うことも考えたのですが、妊娠中の安全性についてイマイチよく分からなかったので断念。
【GI値とは?】
Glycemic Index(グリセミックインデックス)の略語で、食べ物に含まれる糖質の吸収の度合いを示す値のこと。
- 高GI値の食品:血糖値を急激に上昇させる
- 低GI値の食品:血糖値を緩やかに上昇させる
冷凍ベリー
栄養価が高く糖質が少なめなベリー類。
コストコに冷凍のベリー3種類パックが売っているので、それをヨーグルトに混ぜて朝ごはんにしていました。きなこをプラスして、タンパク質や鉄分を補っても◎。
私の食事メニュー例
参考までに、私はこんな感じの食事をしていました。
朝食は毎日ほぼ同じ。
キウイ+3種類の冷凍ベリー+ヨーグルト。これに食パン2枚+ナッツバター。私の場合、食後に10分ほどウォーキングすると、1時間後の血糖値にはほとんど影響が出ませんでした。
昼と夜は、1回に炭水化物1カップを守りつつ、タンパク質をしっかり、野菜は好きなだけという感じ。
あくまでも私の場合ですが、この食事でなんとか出産までインスリンを打たずに乗り切ることができました。
とにかく針を刺すのが嫌で嫌で、刺す回数が増えないように必死だったのを覚えています。
カナダで妊娠糖尿病と診断された話
カナダで第一子を妊娠し、すべてが初めてづくしの中で診断された妊娠糖尿病。
頭をガーンと殴られたような衝撃を受けました。翌日は病気への恐怖で何も食べられず。
クヨクヨ落ち込んでいたところ、すぐに糖尿病専門の『Dietitian(栄養士)』のカウンセリング予約が入りました。
診断から翌々日のスピード感です。えっ、本当にカナダなの?!
カウンセリングでは、
- 妊娠糖尿病とは
- 食事指導
- 血糖値の測り方
について指導を受けたのですが、『妊娠糖尿病になったのは、あなたのせいではない。』と言われたことが印象的でした。
病気への恐怖と赤ちゃんへの申し訳なさでいっぱいだったところに、『胎盤から出るホルモンがインスリンに影響しているだけのこと。あなたは全く悪くないし、自分を責める必要は一切ない。』と言われ、どれだけ救われたことか。
キッパリと『ホルモンのせいだ』と言われたことで、とても気持ちが楽になったのを覚えています。
また『食事療法でダメだったら、インスリンを打てばいいだけの話なのよ^^』とあっけらかんと言われたのも、いい意味で衝撃を受けました。
私は、妊娠糖尿病は本当に良い経験だったと思っています。
糖尿病を擬似体験できたからです。食べたいものを気軽に食べられない、料理の時は調味料にすら気をつかう、食事の後は血糖値が気になる。予想以上に大変でつらくストレスになりました。
出産まで食事療法だけで数値をキープすることができ、インスリンを打たずに済んだのは不幸中の幸いでしたが、当時は毎日本当に必死でした。
カナダ移住以来、乱れていた食生活を考え直す素晴らしい機会に恵まれたと思っています(本当に本当に大変だったのでもう体験したくありませんが…!)。
まとめに
カナダでグルコーステストと呼ばれる検査を受け、妊娠糖尿病と診断された体験をご紹介しました。
ネットで体験談を読んでいると、最初のグルコーステストで引っかかったら再検査をして診断を確定される州もあるようです。私はなぜか1回だけでしたが…。
カナダの食事管理や数値管理は日本に比べると少しゆるめな気がしますが、『血糖値が下がらなければインシュリンを打てばいいだけ!』という明るさは、気持ちが救われるものでした。
妊娠糖尿病になったら。とても気持ちが落ち込みましたが、私は今回のことで食事の大切さを知ることができましたし、出産後の自分や家族の健康管理にも役立つ経験ができたと思っています^^